私は石川県の金沢大学附属高校を卒業した。この金大附属高校は、県内屈指の進学校だが、およそ受験戦争で暗くなりがちな高校生活とは真逆の「和気藹々」で「自由闊達」な校風だった。私は実に楽しい高校生活を送ることができた。この校風も、私の応援人生に大きい影響を与えている。

金沢大学附属高校は、現代国語では、それぞれが好きな小説を読むだけの授業があったり、古文では、岩波文庫の「大鏡」(古文のまま、現代語訳なし)が教本だったり。
大学受験のノウハウを教えるということはほとんどなかった。勿論、予備校ではないからそれは当たり前なのだが、他の高校は大学受験予備校と化していたから、私にはユニークな高校だとの思いが強い。

しかし、学問は人間をつくるためにするものであり、そのために自らが考えて行動するという、幸せな人生を送るために不可欠な「本質追求」「知行合一」が、この高校で知らず知らず血肉になったのではないかと思う。

一昨日は天候が雨模様だったり、昨日は一番の新幹線で大阪へ出張したりと、早朝ウォーキングをすることができなかった。今日は3日振りのウォーキングだ。

外苑前から赤坂見附〜三宅坂を経て、皇居を逆時計回りして、半蔵門〜平河町〜赤坂見附〜青山を経て事務所に戻ってきた。2時間強。16千歩。

何のことか、ウォーキングをしながら「大鏡」に登場する2人の老人のことが脳裏に浮かんだ。

「大鏡」は平安時代後期の歴史物語だ。190歳と180歳の大層長命な2人の老人が藤原家の栄枯盛衰を語る。

私は高校時代、この小説を読んでいて、長命の2人の老人の子孫はその時亡くなっていなかったのだろう。そんなに長生きして、はたしてそれは幸せだったのだろうかと考えたものだ。

藤原家の栄枯盛衰を語るために2人の老人を登場させただけのことで、私の妄想は全く本筋から外れているのだが、その時から長生きすることはいいことだけではないのだと思っていた。

人生は適当なところで、あの世行きがいいのだろう。

そんなことを考えて、私の秋は70歳〜100歳の30年ではあるが、勝負は80歳までの10年としなければならないのだ、30年あると悠長に構えていてはいけないのだ、と現実に戻り、気合いを入れ直そうと思った。

夢と現(うつつ)。
心も体も、バランス感覚が何よりも大切なのだ。これからあと10年が最後の勝負なのだ。

人間はやはり期限付きでないと気合いが入らない。入ってもその真剣さは、背水の陣が一番だ。

私のこれからの10年は、私の人生の背水の陣だ。

さあ、気合いを入れ直そう!!

小林 博重