“理”に添えられた”情”

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緊急事態宣言の中、東京オリンピックが始まった。無観客のオリンピックは前代未聞だが、アスリートにとってはそんなことは関係はないだろう。今まで鍛えてきた力を遺憾なく発揮することに尽きる。

オリンピックはだんだん盛り上がってきている。そのことが、コロナの感染状況に関わらずオリンピックを開催するという、無為無策とは言わないが政府をはじめとする関係団体の失策を帳消しにするものではないが、アスリートの生涯を掛けたパフォーマンスには感動する。

昨日、柔道の阿部兄妹、水泳の大橋、スケートボードの堀米の4選手は金メダルを獲得した。彼らの努力の結果が勝利を呼び込んだのだ。勝利を掴んだ勝者の爽やかな笑顔は実に素晴らしい。

また、昨日は、情の熱さが勝利を呼び込むことを強く感じた。
阿部兄妹の金メダル然り。卓球の水谷・伊藤の混合ダブルスの対ドイツの試合での大逆転然り。水谷隼さんと伊藤美誠ちゃんは同じ静岡県磐田市出身。同じ卓球教室の先輩・後輩だとか。美誠ちゃんが幼い時から「お兄ちゃん」と慕っていたらしい。 血が繋がっていてもいなくても、いずれもこの二組の2人には”情”という温かい血が流れているのだ。

人と人の温かい心のつながりが絶体絶命に追い詰められても跳ね返すことができる力になる。この2つのペアはそのことを証明したのだ。

稲盛和夫さんは「”理と情”のいずれも欠けては経営はできない。理に情を添えるのが経営だ」と言われる。
理とは理屈ではない。「人間として何が一番大切なのか」「人間として何が正しい道なのか」を追求することだと私なりに理解している。 その”理”をこの世で実現するためには人と人との”温かい情”がなければならない。
ともすれば、”情”は情実につながる恐れがある。いや、情実を”情”と勘違いしてしまうことが間々あるのではないか。情実を”情”と勘違いして、人間として正しい道を踏み外してしまうのだ。 あくまでも”理”がある”情”でなければならないのだ。

阿部兄妹と水谷・伊藤ペアは、謙虚であり、真っ直ぐであり、2人に通っている”情”は、”理”に添えられた”情”であることは間違いない。これからますますのご活躍を祈る。

小林 博重

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