今朝の7時からのNHKニュースでアメリカ・ハーバード大学の政治哲学者のマイケル・サンデル教授(68)のインタビューが印象に残った。 本屋でも彼の著書『実力も運のうち』〜能力主義は正義か〜がベストセラーのコーナーに山積みになっている。
スマホでサンデル教授を繰ってみたら、YouTubeで報道ステーションの特集で徳永有美アナウンサーがサンデル教授にインタビューしている動画があり視聴した。アメリカも日本も人間の原点は全く同じだ。

サンデル教授は「現代の能力主義が、アメリカに象徴されるように人類を分断している元凶だ」と警鐘を鳴らしている。
トランプが大統領に選ばれたことも国民の不満・不安が為せる業であり、それは能力主義によって起きているのだと。
すなわち、能力主義は正義ではない。能力主義は人間を傲慢にする。能力主義の横暴が分断を作っている。

人は成功すると、自分の能力が高いが故だと思う(錯覚する)。自分は人より能力が高いから成功したのだと。
自分は人よりずっと努力した。自分が優秀だから成功したのだ。自分はエリートだ。そして成功していない人たちを上から目線で見下す(しかし、彼らはエセエリートだ)。

それはその人の実力だろう。それは間違いない。しかし、サンデル教授は「実力も運のうち」という。たまたま環境がいい生い立ちだったから他の人以上に学ぶ機会に恵まれた。そして努力もできた。素晴らしい家族や友人やビジネスで関わる人たちに巡り会ったのは運が良かったからだ。考え方も前向きになることができるのはそれも自分に与えられた環境が為せる業なのだ。素晴らしい周りの人たちがサポートしてくれたから今の自分の成功があるのであり、自分一人の力で成功を勝ち取ったわけではない。

「能力主義」とは、「実力は自分一人の力」と思い、上から目線で非エリートを見下すことだ。

「実力も運のうち」であると、人さまのサポートのおかげで今の成功、今の自分があると考える謙虚さを持つことだ。そして、サポートしていただいている多くの人たちに感謝の心を持つことを忘れないことだ。そして、お世話になった世間の人たちに恩をお返しすることなのだ。 そんな本物のエリートや本物の政治家(ステイツマン)が増えることにより、世の中が温かく、優しい人間関係で構築された幸せな社会になるのだ。

ノブレス・オブリージュ(高貴なる人の義務)も同様な言葉だ。人の上に立つエリートは、人のために生きるという義務があるのだ。

渋沢栄一が唱えた『論語と算盤』も、ビジネスのベースに相手のことを思いやる「恕の心」を持てということだ。それは現代の私たちが目指しているサスティナブルな社会を創ることに通じる。SDGsを目指すことだ。

ビジネスはシンプルイズベスト。そんなに難しいことではない。それをブレないで徹底することだ。

これからの私の人生の秋冬は、そのシンプルイズベストを徹底して深く掘り下げ続けることだろう。

小林 博重