星野リゾートの星野佳路代表が日本経済新聞のインタビューで、新型コロナウイルスの感染拡大で観光業界は最も影響を受けているが、復活に向け「1年半が勝負、国内開拓を」と言っている。

「今をどう乗り切るか」ではなく、新型コロナに対するワクチンや治療法が確立されるのは1年半はかかると想定し、「その先を見据え楽観的に構想することだ」と言う。

一番大切なことは、密集、密接、密閉の「3蜜」を回避して、観光業のイメージを落とすことがないようにすることだと。「イメージ」や「評判」が生死を左右するというのは実に納得できる。

旅の目的は主に「きれいな景色が見たい」「アクティビティを楽しみたい」から「自粛のストレスや恐怖感からの解放」だと。
コロナは人間の心を想定以上に傷つけているということか。

緩やかな需要は、3段階で回復すると。
まず、周辺地域を旅行する「マイクロツーリズム」。その次に、新幹線や飛行機を利用した大都市圏からの旅行。最後に、インバウンドによる旅行。今年だけではなく、来年も完全回復には至らない。

この1年半は、インバウンドに代わり国内需要を伸張させれば乗り切れるだろうと。インバウンドは観光市場の2割しかないから、創意工夫によってこの難局を乗り切ることだ、これからの1年半が勝負の時だと。

星野さんは、約30年間、観光業界で生きてきた。この30年にバブル崩壊、リーマンショック、東日本大震災の災難に遭遇し、その都度、その難局を乗り越えてきて今の星野リゾートがある。

逆境は人間を強くする。決して平時では学ぶことができないノウハウも身につく。
難局を自らを磨く磨き砂と前向きに捉えることだ。そして、さらなる高みを目指すことだ。

こんな時しか、パラダイムシフトはできないかもしれない。パラダイムシフトするしかないというのは何と幸運なことか。

不遇を恨むのではなく、逆に「不遇に感謝する」ことだ。

小林 博重