久しぶりに大相撲中入り後を全てテレビ観戦した。横綱不在の場所であるが、遠藤・炎鵬・輝等の同郷(石川県)出身力士の活躍や、優勝候補が正代や特勝龍の平幕2人に絞られた混戦場所であることもあったからだ。

炎鵬対輝の同郷対決は、行司が立ち合いに「待った」をかけなかったこともあって、あっけない輝の勝利となり、炎鵬の技能賞は露と消えたが、炎鵬の幕内上位の活躍は「小よく大を制す」そのものあり、大相撲の醍醐味を実感した。大相撲人気は高まることだろう。

正代対御嶽海戦も見応えがあった。正代の今場所一番の相撲だと北の富士さんや舞の海さんは言っていたが、正代は、当に一皮も二皮も剥けた相撲を見せてくれた。

さらに、千秋楽の結びは圧巻だった。東大関貴景勝と前頭西17枚目幕尻徳勝龍の千秋楽結びは大相撲史上初めてだろう。
若手バリバリの貴景勝の一方的勝利と思いきや、徳勝龍の正攻法の四つ相撲にはたまげた。これで正々堂々の幕内優勝だ。当に奇跡としか言うことができない。
雄弁で辛口の北の富士さんも開いた口が塞がらないほどの驚きだった。そして、人間ではない力が徳勝龍を応援していたのではないかと思わせる迫力ある力相撲だった。これは、今場所の最中に急逝した恩師である近畿大学相撲部の伊東監督の霊が徳勝龍と共に相撲を取ったのかと思うほどだ。勝負があった時の徳勝龍の満面の涙顔が感動を呼ぶ。生きていればこんなこともあるのだ。

①時に、人間の力だけではない力が働くことがある。
日々の不断の努力がそう言う場面を作ってくれる。それが「奇跡」を産むのだ。
②健康こそ力である。
徳勝龍の同期である稀勢の里も豪栄道も怪我で横綱や大関の地位を維持することができなかった。徳勝龍は今まで大きな怪我や病気はなく、休場はないらしい。 日々の自己管理をすることが夢を果たす条件なのだ。

スポーツは人生そのものを顕在化させて見せてくれる。私たちもその感動を自らの力にしなければならない。

小林 博重