曽野綾子さんも書いていますが、オールラウンダーは得てして謙虚になれないというのは本当だと思います。
松下幸之助さんは誰よりも人を活かした達人と思いますが、それは、つまり、松下幸之助さんが彼より優れたところをも持っていた人の能力を最大限に発揮させたということであり、それは彼が素直に人を見ていたからであり、だから自ずから謙虚になることができたのだと思います。 稲盛和夫さんはオールラウンダーでありますが、それは謙虚な人です。それは自己に厳しいために驕ることをされない、その意味では、私は稲盛和夫さんは奇特な人なのです。

聡明才弁な人は自らの才能を過信して、人格までも優れた第一級だと勘違いしてしまう傲慢さを持ちがちです。そのような人は心から人が付いていかないのでリーダーとしてはやはり二流か三流なのです。
才があっても稲盛さんのような自分に厳しい人は別にして、私のような凡人は、人より優れたところは自覚しても、人より劣っているところを認めて、自分の足らざるところを優れた人にお任せする素直さと謙虚さがなければ、優れたリーダーになることはできないと思います。

私は65年の人生の中で、今このように天真爛漫に生きて仕事ができているのは、自分がオールラウンダーでなかったからだと思っています。自分を素直に見つめると、人を大切にしなければ何もできないことが否が応でも分かります。夢を果たすためには、人を尊重し人に任せることが一番だと分かります。

大学の同期を見てみると、皆さん東大を卒業したということで、自分に素直になれないで拗ねた人生を送っている人が少なからずいるのです。東大に入らなければもっといい人生を送っていたのにな、と思うことがあります。

人間は素直が一番。松下幸之助さんは「人間として一番大事なことは素直であることだ」と仰っています。素直が謙虚に繋がるのです。そして、森羅万象に感謝する心が湧いてくるのです。

小林 博重

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