総務大臣政務官 参議院議員 山田 修路(やまだ しゅうじ)様

山田様

日本社会と世界との連係が進む中で留学生の方々が媒介となって、一層国際化が進展していく。
そういう意味でこのOUEN Japanの活動は、その最先端のところに取り組んでいると思います。

これまでのご活動をお教えください


もともと農林水産省で30年ほど仕事をしてきました。
公務員として国内の仕事を始め、さまざまな仕事をしてきました。
外国勤務も経験し、国際交渉にも携わってまいりました。
そういった経験をすこしでも地元に還元したいということで参議院議員に立候補させていただきました。

農林水産省は、地方をどうやって元気にするかというのも大きな課題です。そして今、国会議員、また総務大臣政務官として石川県をはじめ地方の活性化のために仕事をしています。

総務省にとっても地方の活性化は最大の課題の一つです。特に地方自治制度を所管しているので、自治体を応援する役割を担っています。東京周辺は人間が一極集中し財政的にも非常に豊かです。一方で、他の自治体はかなり厳しい状況にあります。その格差を是正していくことが大きな課題です。

公務員と政治家、双方の立場で仕事をしてきました。政治家は、市民の方のご意見をできるだけ聞いてそれを政策に反映をしていくことが大きな役割です。
公務員ももちろん市民の方のご意見をお聞きしますが、一方で政府、国の立場としてどうすべきかを考えるのが最大の使命だと思います。

行政の仕事は権限の大小はありますが、その分野の責任者という立場です。「これはこういう理由で申し訳ないけどできない」ということもあるんです。

政治家は、公務員のように所管があり、責任があるということではない。みなさんの意見を聞いてできる限り実現していくっていう姿勢・努力が大切だと思います。

役所は法を執行する機関、政治家は国民の意見を取り入れた法律を立案していくという理解でしょうか。

公務員も2つ役割があると思います。
法律を執行していくというのが一つ。とにかく中立な立場で物事を法令どおり進めていく。
もう一つは政策立案に貢献していくという役割があります。「データとしてはこういうことですよ」とか、「過去の政策、外国の政策でこういう物がありましたよ」とか。政策をつくっていくあるいは方針を決めていくときのお手伝いをする役割。

国民から信託を受けている政治家の役割はいろんなデータや過去の諸外国等の経験を踏まえた上で、右にするか左にするかを決めるということです。
法律を作る最後のところは国会で決めるのですが、データを提供したり原案をつくったりを公務員がやっている。政策立案の部分でも公務員が携わっています。
しかし、最後の決定は政治家がやらなきゃいけないわけです。

私は、自分が公務員であった経験から、公務員に指示を出したときの公務員の反応が、ある程度予測できます。「こういう事を言ってもできないだろう」とか、「こういう事を言うとこういう成果が出てくる」とかがある程度わかります。また、こういう問題についてはこの部局で対応したほうが良いいうことがわかります。公務員の経験をしていない政治家の方に比べれば、公務員の対応が見えているというか、公務員との間の呼吸の取り方がわかるところがいい面だなと思います。

■国内での留学生の就職について、なにか思うところがあったら教えてください


日本の社会を見ると、少子高齢化が進んできています。2025年問題とか2040年問題とかがよく言われます。2025年には団塊の世代が75歳を超え、2042年には高齢者の数がピークに達すると予測されます。
逆に言うと、働く方がどんどん少なくなっていくということです。

推計では15歳-65歳までの生産年齢人口が、今7700万人くらいいるところが、2040年には6000万人くらいになっている。
日本の社会自体で働く人が少なくなっていくので、働くことを望む日本国民の方に働ける環境を整備するとともに、外国人の方にも、日本の産業を支えて頂く必要があると思っています。
在留資格の見直し等が議論になっていますけど、留学生の方々も日本を好きになって日本での就職を希望されるのであれば、働く場を見つけていただきたいなと思います。そうすることによって、日本の社会が発展して行けるんじゃないかと思います。

来年秋には議員の選挙区でもある石川県金沢で留学生と大学1・2年生を対象としたOUEN塾が開催される予定です。
石川県の伝統工芸や、地元企業と留学生・大学生との交流にOUEN塾がどうやって関わっていったら良いと思いますか?

九谷焼や輪島塗、山中塗り、金沢金箔などいろんな伝統産業があるので、そういうところにも留学生の方や外国人の方に興味を持っていただいて参加してもらうのはありがたいことです。
また石川県には、機械工業など有望な企業や地道に地域に根をはって活動している企業も多いです。
そういうところに働き場が相当あると思っております。

日本人もそうだし、留学生ならもっとだけど、地域のことをあんまり知らないんですよね。
この地域にもこういう産業があるんだ・こういう暮らしがあるんだということを知ってもらいたい、気づいてもらいたい。気づきが大事です。
東京などの大都市もいい面があるけど、それぞれの地方もいいところが沢山ある。

特に石川県は、新幹線や空路などで便利ですし、人柄もフランクで親切です。おせっかいと思う方がいるかも知れないけど(笑)
住めばだんだん気持ちよくなっていく土地だと思います。そういう良さをわかっていただくために、留学生と大学の1年2年生が交流して、よく地域を知っていただくというのが非常に有意義なことだと思います。

伝統産業の場で活動している留学生は今のところ少ないと思います。
日本人の大学1年2年生に伝統工芸の場を見てもらうことによって、伝統工芸の後継者が育っていくかもしれない。
留学生の方が興味をもつこともあると思います。
伝統工芸は根気がいる仕事なので、熱意を持った留学生にも向いていると思います。

■OUENJapanに応援メッセージをお願いします。


小林さんは高校・大学の先輩になります。
高校時代から型破りで情熱的な方で、僕ら下級生からするとすごい人がいるなあと思っていました。
普通の人間の枠を超えているような活躍振りでした(笑)
学校の行事のファイアストームでは、旗振り役で、みんなを鼓舞していました。
大学に入られてからもまた応援部で活躍され、この人すごいなーとずっと思っていました。またこのOUEN Japanの活動を始められて、情熱を持ってやっている。小林さんの情熱そのものが現れている活動のような感じがします。

小林さんは純粋な気持ちでやっているので、僕ら後輩世代もみんな小林さんのことが好きだし、応援していきたい気持ちです。

リチャード・ボールドウィンの「世界経済大いなる収斂」という本を読みました。
この本によると、国際化には三段階あって、一番目はモノが国境を超えて動く段階、二番目は情報が国境を超えて動く段階、三番目は人が国境を超えて動く段階です。今は、情報が国境を超えて動くようになったので、ノウハウの伝達が容易・安価になり海外に工場ができてきて海外でモノを作れるようになった。
人が動くのが一番難しくて、人そのものが国境を超えて動くのか、あるいは人が動かなくても人が動いているのと同じ効果が、ICTの急速な発達により、達成されると予測しています。

国際化の次の段階は国境を超えた人の移動です。そういう意味では留学生の方が日本で活躍して働いてくれる、または母国に帰っても日本にいろんな形で貢献していただける。
そういうことって、国際化の最先端というか、これから向かっていかなくちゃいけない方向だと思います。
日本社会と世界との連係が進む中で留学生の方々を媒介して国際化が一層進んできている。
このOUEN Japanの活動は、その最先端のところに取り組んでいると思います。
福岡でやった活動や、これから各地域でやる活動が根付いていくことが大事です。

一歩一歩着実に広がっていく、やったことが地域で根付いていくというのが国際化の第三段階の「人の国際化、交流」だと思います。一番難しいところですが、OUEN Japanはその先駆的な、先端部分のことをやっていると思う。
ぜひ成功して輪が大きく広がっていってほしいですね。

国際化が進む中での問題点というのはモノや情報やお金は国境を超えて動くのに、人が動きにくいというところです。制度的な面、感情的な壁などいろいろ問題はありますが乗り越えていくために、この活動が大事です。
非常に大きな役割を果たしてくれるのではないかと期待しています。