参議院議員 石田 昌宏(いしだ まさひろ)様

石田様

OUEN Japanという名前に僕はまずワクワクします。
まず人の力を信じて、そのちからが一番発揮できる環境を作ってあげて。素晴らしいことだと思います。

■日本に来ている留学生が国内での就職率が低い原因はどういったところにあると思いますか?


そうですね、たぶん日本人が、外国人(異文化)と一緒に働くことをイメージができていないというのが根っこにあるような気がします。
外資などそれが当たり前になっているところはそんなに違和感はないと思いますが、国内の特に地場産業で、日本人どころか地元の人たちばかりで働いてきた人たちは想像しにくいのではないでしょうか。
逆に慣れてしまえば日本人は十分にクリアできるだけの力は持っていると思います。

日本人の特性として、一回わかれば早いと思うのです。
例えばどこか企業で外国人の留学生を社員として採用して、うまく行く事例を見たらぱっと広がって真似する企業が増えていくと思う。そういう意味で、OUEN Japanが一生懸命草の根的にやっていくことはとても意味があることだと思います。

→外国人の医療現場での活躍は?

看護の全体・集団として考えたときには、看護師は足りていないのですが、外国人についてはあまり積極的ではありません。
多くの工場等がそうかも知れないけど、外国人を採用する理由として、日本人がやらない仕事を外国人にやってもらうというの思いが強いと思います。
そういう仕事は得てして3Kと言われる仕事などで、日本人は職に付きたくないなというイメージが強い。
外国人から見たら、ある程度安くても母国で働くよりも賃金がいいので、どのような仕事でも日本で働きたいとなると、結局その仕事に外国人労働者が増え、その仕事の給料水準が下がる方向に動いてしまいます。

そういう点を考えると、たとえば看護業界で人が足りないからといって外国人労働者がたくさん来た場合を想定すると、再びその仕事が3K的に見られてしまって、逆に仕事そのものの価値が下がり、給与水準も下がってしまう。すると日本人の給与も下がってしまうのです。それを繰り返していくと今度は日本人が看護職を選ばなくなってしまい、更に余計に人手不足となり、外国人が増えていく。こういう悪循環が起きることを一番警戒しています。

だから今少なくとも日本人と同等以上の賃金水準を外国人に支払うということを条件にしています。
そうなるとなかなか外国人の採用が進まないという現状です。

もう一つコミュニケーションの問題として言葉の壁があり、日本語の壁というのはどうしても存在しています。
特に医療の仕事をしていると機微に触れた会話をします。例えば「痛い」を一つとっても、「しくしく」「じりじり」「ちくちく」など、外国語にはない表現があります。
また、細かい薬の名前を一個間違えるだけで、人の命を奪ってしまうことにもなりかねません。だから言葉に関してはかなり丁寧な仕事が要求されます。
そういうことをあまり理解せず、外国人は優しいからいいじゃないかという人もいるのですが、優しいけれども自分の命にかかわるかも知れないということを考えていないと思うのです。
働く側は言葉を重要視するので、ハードルが高いです。

■看護師の分野での外国人の受け入れはどの程度進んでいるんですか?


EPAという、看護師と介護士だけの経済連携の特殊な仕組みがあって、インドネシアから何人、フィリピンから何人等と決まった数を受け入れています。国家試験に落ちたら働けませんので、年間に十数人程度です。
日本の看護学校に入って日本語で授業を受け卒業していく留学生もいます。日本で国家試験を受けることができますが、ごくわずかです。

ただ介護の方は人手不足があまりに著しいので、受け入れが増えていく可能性はあると思います。

→留学生が受けられる医療面でのサービスはありますか?

基本的には留学生は国民健康保険に加入していただいていますので、保険料を払って日本人と同じように治療を受けることができます。すでに制度的にはかなり出来ていると思います。国籍要件はないですから。

→来年開催されるOUEN塾のイベントの役割は?どんな効果がありそうですか?

そもそも日本人は留学生ことをあまり知らないと思うのです。一緒に働くというイメージが湧かないのです。イメージするためには実際に会って目の前で話したり、働いてみることが必要です。日本人は会ってみたら変わることができると思うのです。地道かも知れないけど、着実に。観念を語るんのではなくて一人ひとりの出会いを作るというのは役立つと思います。
そのためにはOUEN塾はすごく必要な役割だと思います。だから僕も行って一度見てみたいなと思っています。
留学生が世界の中で日本を選んだ理由を聞いてみたいです。アメリカで働いたほうが給料が高いだろうし。英語を習得するほうが楽だろうし。でも、わざわざ日本語を習得し日本で働きたいと思う理由。そこに日本の良さを見つけるチャンスがあると思います。

一方、言葉はやっぱり大事だと思うのです。日本の文化は独特で、東洋文化でもないし西洋文化でもない。その体現の一つは日本語だと思うのです。
言葉を理解するということが日本の文化を守ることにもつながるという風に考えれば、日本語を広げるとか、日本語を理解してくれる人を増やすということが大事だと思う。
ひとつはやっぱり日本語が学べるチャンスを日本政府をあげて外国に作っていくことが大事だと思っています。

世界的にも日本語は人気があって日本語検定で日本人も取れないような1級とかを取る外国人が年に何万人もいるそうです。僕が受けたら2級くらいがいいとこだと思います(笑)1級は無理だと思う。
特に、そういう人たちに日本に来てもらいたいです。日本が好きとか、何かの理由がないとそこまで出来ないです。本当に1級はレベルが高いのでモチベーションがぜんぜん違うはずだから。

将来は、日本語検定1級を持ってる人には、思い切って就労ビザを出すとか、そういうことをしてもいいと思うんです。介護とか工場とか農業だとか職種別に分けてとかじゃなくて、職種関係なくていいから日本語話せるかどうかだけで。例えば2級だったら何年とか、1級だったら永続とか。1級で5年働いたら国籍だすとか。
文化性を守りたいから移民が嫌だと言う人もいますが、言葉で守ればいいのではないかなと思うんです。

■OUENJapanに応援メッセージをお願いします。


OUEN Japanという名前に僕はまずワクワクします。
人を応援するのに、まず自分を律しないといけないと思いました。例えば東京大学応援部の場合だと、野球部が勝てないのは応援部のせいだと言います。理不尽だと思うのですが、よくよく考えてみたら、僕たちが一生懸命応援していると、それを受けて野球部の人たちも頑張ろうとか、元気になろうと思って普段は100の力しか出せないのが、120とか130の力が出せるようになるのです。逆にこっちが盛り上がって、対戦相手が盛り上がってなかったら相手が気分が下がって、100ある力のうち80とか70になっていくわけです。そこで逆転が起きる。

人を応援するというのはそのくらい人の可能性を伸ばしてあげる仕事で、そのことをきっと意識しているから”OUEN Japan”としたのだと思うのです。

まず人の力を信じて、その力が一番発揮できる環境を作ってあげる。素晴らしいことだと思います。
そして、実際看護師も一緒なのです。医者はある意味病気の人に対して切ったり貼ったり薬を処方したりして治すという仕事の仕方ですが、僕ら看護師の仕事は「あなたを信じてあなたの力が最も発揮できる」ようにとか、「身体を温めてあげる」とかしているのです。看護と応援ってぜんぜん違うようにみえるかも知れないけど、僕は同じことだと感じています。

OUEN Japanと名前をつけた小林さんはとても素晴らしいと思っています。もっと広がってほしいですね。