『臨終定年』(田中真澄著。ぱるす出版)〜人生後半の生き方〜から。

*最近の老年学は、高齢者とは英知を備えた貴重な社会的資源(社会的に役に立つ人材)とみなし、高齢者も社会貢献をしながら、生き甲斐のある人生を送るべきであり、そういう日々を歩むことが高齢者の成功(サクセスフル・エイジング)である、という新しい概念を提唱するようになっています。 つまり、老後は趣味を生き甲斐にするのではなく、仕事を生き甲斐にしようという考え方が、老年学の基本になってきています。

*独立独歩で生きるには健康でなければなりません。サラリーマンと違って何かの事業で身を立てる人は生活の保障がないことから、常に働き続ける必要があります。その必要条件を満たすにはとにかく健康であることです。

*自分にストレスが生じた時、そのストレスを自分を磨く磨き石と考え、どんなことでも前向きに受け止め、その結果がよくなるイメージを抱いていけば、無駄な体験など一つもないと思えるはずです。
「ウエルカム トラブル」と、どんな事態も前向きに受け止め、必死に対応していけば、必ずやそこから人生は好転していけるはずです。ストレス対策の能力も高めていけるものです。

*稲盛和夫さんのご本『生き方』から、
「一つのことに打ち込んできた人、一生懸命に働き続けてきた人というのは、その日々の精進を通じて、おのずと魂が磨かれていき、厚みある人格を形成していくものです。 働くという営みの尊さは、そこにあります。仕事を心から好きになり、一生懸命精魂込めて働く、それだけでいいのです。
ラテン語に『仕事の完成よりも、仕事をする人の完成』という言葉があるそうですが、その人格の完成もまた仕事を通じてなされるものです。いわば、哲学は懸命の汗から生じ、心は日々の労働の中で練磨されるのです」

*稲盛氏の説く生き方を自分のものにするには、「心田開発」を続けることです。心田開発とは、田畑の雑草を取り除けば作物がよく実るように、毎日、心を磨き直す良き生活習慣を実践し、心の雑草である「楽したい、遊びたい」という怠惰な気持ちを取り除くことです。我欲を取り除き、倹約・正直・勤勉・感謝の心で、目の前の仕事に懸命に取り組むことです。

*ダルマが倒れてもすぐ起き上がるのは、ダルマの底部に重い鉄塊が取り付けられているからです。この重い鉄塊のおかげで、ダルマは倒れても倒れても起き上がることができるのです。
これを人間の場合に置き換えると、ただ塊は心構え(心を作る習慣・心的態度)に当たります。この心構えを毎日磨き続けていると、その心構えが他の能力を支え、間違いを正し、失敗してもまた起き上がらせ、やり直す人生を歩んでいけるのです。 心構えは、人間を動かす機関車の能力であり、客車に当たる他の能力(知識や技術)を引っ張る役割を担っているのです。

*これからの時代は、自分の専門力で世のため人のために貢献していくことが一人ひとりに求められます。つまり、人間は最終的には、どこに勤めているかの所属価値ではなく、何が得意(専門)かの専門価値(存在価値)が問われるのです。利他に生きることを、そうした生き方に繋げて考えていきたいものです。

私は人生65年生きてきて、私の生き方について、ある時は後悔をしたこともありますが、今となってはみれば全てのことに結果オーライ。幸せ者だと思っています。 田中真澄先生に初めてお会いしたのは、私が安田信託銀行人事教育部のおり新入社員研修で、新入社員向けの講演を拝聴した時でした。35年前です。 先生の講演に私には大きなショックを受け、この講演は「これからの人生、如何に生きるべきか」を自分のこととして真剣に考えるきっかけになりました。
とはいっても、安田信託銀行を辞めることは、私にとって清水の舞台から飛び降りるような一大事でした。稲盛和夫さんと田中真澄さんがいらしたから辞める決断ができたのだと思います。

田中真澄先生の年1回の講演会は、15年前から毎年開催されていましたが、きたる11月3日(土)が最終です。
万難を排して参加したいと思います。

演題:臨終定年〜人生後半の生き方〜
日時:2018年11月3日(土) 14:00〜15:30
会場:全電通労働会館/千代田区神田駿河台3-6

小林 博重

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