磯田道史さんの『素顔の西郷隆盛』(新潮新書)を興味深く読みました。
NHK大河ドラマ『西郷どん』は欠かさず視聴していますが、磯田さんは、このドラマの時代考証をつとめていらっしゃるとか。なおさら、この書物に興味があり読了しました。やはり、西郷どんはそんじょそこらの英傑とは比較にならない大偉人です。

今年は明治150年。
150年前に、西郷どんはダイバーシティの発想を持っていたのです。奄美大島への島流しで、薩摩藩が奄美の人たちを扱う惨状を目の当たりにして、この島の人たちのために尽くそうとする西郷どんの「平等主義」は、彼の天性の人間愛から迸るものであり、この時代の武士では考えられません。 西郷どんが150年経った現代でも特別な存在として多くの人々に愛され慕われているのは、生来の天真爛漫な平等主義にあるのだと思います。 そして、そのような「人を愛する」人が、明治維新という回天の立役者=大革命家なのです。
この両極端をごく自然に併せ持った西郷どんは、当に『人物』であったということなのでしょう。

磯田さんは、西郷は人物であり、大久保は人材だと言っていますが、当にその通りです。
大久保利通は明治維新の回天事業にはなくてはならない稀有な人材なのでしょうが、西郷どんはいつの時代にも愛される人間愛溢れる大人物なのです。

ダイバーシティマネジメントの基本は、
1.相手に対する尊重(Respect)
2.相手の立場でものを見る想像力(Empathy)
3.ぶれない誠実さ(Integrity)
だそうです。

また、コンプライアンスは単なる法令遵守ではなく、環境変化への適切な対応だとか。法令違反でなくても社会一般からみて「おかしい」とされることに対応することです。

日本をリードする方々は、このダイバーシティやコンプライアンスの本質を本当に分かっているのでしょうか。はなはだ疑わしいと思うのは私だけではないと思います。

私は、西郷どんの足下にも届かない凡人ではありますが、私なりに西郷どんの『敬天愛人』の思想を守るべく、精進努力していきたいと思います。

小林 博重

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